大人の自由研究2 ~自宅で微生物を育ててみた~

こんにちは、白衣です。
前回に引き続き、微生物を自宅で育ててみました。

第1回 大人の自由研究~自宅で微生物を育ててみた~ はこちらから

今回は身の回り品の菌を調査するのではなく、食品の微生物について調査してみました。
簡単に言えば発酵性の食品を寒天培地で培養してみました。

発酵食品とは皆さんご存知の通り、食材を微生物等の作用で発酵させることにより加工した食品のことを指します。
したがって発酵性食品には微生物が多量に含まれているのです(もちろん食べても無害なタイプの微生物です)。

今回はその発酵性食品の微生物を培養できないかと実験しました。

実験「味噌 & キムチ」

今回実験に用いた発酵食品は「味噌」と「キムチ」です。
この二つを選んだ理由は特にありません。
冷蔵庫にあったからです。

本当ならば納豆を用いて納豆菌の培養も行いたかったのですが、 本日は冷蔵庫の中になかったので、後日購入して挑戦してみたいと思います。

寒天培地の作り方は前回と同様で、”なんちゃって標準寒天培地”を用います。
作り方は前回の記事の中程をご参照ください。
5分もあれば作れると思います。

寒天培地を作製したら、洗いたてのスプーンで味噌をすくい培地の上になすりつけます。
キムチは適当に汁に浸ってる食材(私は白菜をピックアップ)を箸ですくい、培地の上に乗っけます。あとはタッパーの中に入れて菌が繁殖するのを待ちます。

培養結果(培養開始1日後)

味噌:めちゃくちゃ繁殖してた。。。笑

キムチ:培養24時間後ではあまり繁殖している様子は観察されなかった。

以上より、味噌の微生物の発酵における強さはキムチよりも強いことがわかりました。
まぁ味噌って、 麹菌の塊みたいなところがありますからね。それは繁殖力強いでしょう笑。

ニンニクの殺菌効果について

にんにくを食べ過ぎると胃の中が殺菌されて腹を壊しということを聞いたことがありませんか?

にんにくは特定の菌に対して、殺菌効果を示します。
そこで今回は味噌由来の菌に対してニンニクが殺菌効果を示すかについても検討してみました。

実験方法としては単純で以下の通りです。
 ①すりおろしたニンニクを培地の上に乗せる
 ②味噌を①の培地の上に乗せる
以上!!!

注意点はニンニクと味噌をあまり近づけすぎないことです。

培養開始24時間後の結果は以下の通りです。

(左:味噌、中央:にんにく、右:キムチ(おまけ))

まだ味噌の菌糸がにんにく周辺に届いていないため、ニンニクの殺菌効果についての検討は不明です。引き続き実験を継続し、続報として述べたいと思います。

培養の際、気をつけること

前回の記事のあと、培養が上手くいかないという問い合わせがあったため、注意点を一つ。

菌の培養において重要なのは温度と湿度の管理です。
培地の栄養の種類やコンタミ(大気中等の菌が混ざり合うこと)も重要ですが、 無菌操作をしていない標準寒天培地で菌が何も育たないという場合は、温度か湿度に問題があります。

温度は37℃前後湿度は99%を目指してください。
夏の暑い時期でしたら、温度はクーラーのかけていない部屋の中に放置していれば条件として十分です。湿度管理は次の通りにしてください。
 ①大きめのタッパーの中に培地を入れる
 ②小ぶりのタッパー等(ペットボトルのキャップ等で代用可能)に水を入れて培地を入れた大きめのタッパーの中に入れる
 ③大きめのタッパーの蓋を閉める

今年の非常に熱い夏な環境でしたら、これで十分に菌は育ちます。
大きな勘違いとしては、 寒天を使っているからと冷蔵庫の中に培地を入れてしまうことです。

もちろん菌の種類にもよるのですが、乾燥した涼しい環境よりも暑くてジメジメした環境の方が菌は繁殖します。

これでも菌が育たないという方は、下記のフォームよりコメントをください。

自由研究として

本テーマは大人の自由研究としていますが、お子さんの自由研究にも十分に応用できると思います。

菌を取ってくる場所を変えたり、同じ菌を培養するにしても培地の組成を変えてみたり(コンソメだけにしてみたり、砂糖だけにしてみたり、など) 、本稿のようにニンニクによる抗菌作用を試してみたりなど、いろいろと工夫をしてみると面白いと思います。

実験は数日にわたってしまいますが、培地の作成に10分、菌の培養に10分、写真撮影に2,3分と手間はほとんどかかりません。

サイエンス要素もたっぷりですので、工作キットを買ってきて適当に何か作るよりも、先生の評価も高いのではないでしょうか。

夏休みもそろそろ終わりに差し掛かってきました。

まだ自由研究を終えていない方は、菌の培養を是非ご検討ください。

 

次回「大人の自由研究3」の内容はにんにくの抗菌効果についての検証結果を示したいと思います。

それではこのへんで。

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コメント

    • sao
    • 2019年 7月 10日

    初めまして。とても面白かったです。
    子供の実験として楽しめそうですね。でも大人の方が興奮してしまうかも。私は食品メーカーで細菌検査をしていたのですが、あの菌の美しさや寒天培地の匂いが好きで、子供に何か教えられたらなと思っていました。家庭でも培養できる術はないかと探していたら、こちらのブログに辿り着きました。
    オートクレーブは圧力鍋で良いんですね。恒温器の代用として孵卵器がアマゾンで売っていたので検討中です。(インコを飼っているのでもしかしたら使う機会があるかも..)
    大変面白い記事をありがとうございました。今年の夏休みの自由研究は、こちらを勧めてみたいと思います。

    • ぴぎゃー
    • 2019年 8月 02日

    すごく面白かったです!
    続編楽しみにしてます(*^-^)
    頑張ってくださいね!!!

      • 管理人
      • 2019年 8月 19日

      コメントありがとうございます!
      なかなか本業が忙しくて更新できていませんが、がんばります^^;

    • Takk
    • 2019年 8月 19日

    小6の娘の自由研究に、洗わなかった手とアルコールで消毒した手のばい菌の付き具合を比べよう、ということになりました。
    この記事のレシピを参考にさせていただき、手作りの寒天培地に、指をこすりつけ、現在二日目ですが、気温が低いせいか、現在変化なしです。

    観察が終わった後、この寒天培地(使い捨てプラスチック容器に入っています)はどの腰部廃棄処分すれば良いでしょうか?台所の電子レンジを使って滅菌もためらわれますし、容器が溶けてしまうのではと心配です。
    現在容器はラップで蓋をしていますが、蓋をあけること自体、本当は危険なことですか?
    大丈夫なのであれば、蓋を取ってハイターを振りかけて、ゴミ袋に密閉して捨てようかと思うのですが、いかがでしょうか?

      • 管理人
      • 2019年 8月 19日

      Takk様
      ご参考およびご質問ありがとうございます。

      培地の処理の仕方についてですが、手の雑菌だと以下のような処理方法が挙げられます。
      ・121℃で20分以上の高圧蒸気滅菌。
      ・0.1%次亜塩素ナトリウム溶液に60分以上浸漬。
      ・30分以上の煮沸滅菌・消毒。

      ですので、Takk様がおっしゃられているようにハイターで表面を浸して60分以上放置していただければ大丈夫です(キッチン用のハイターなら次亜塩素酸5-6%含有されていますので)。その後、ゴミ袋に密閉して廃棄してください。

      また、念のため滅菌処理は室外で行い、ゴミ袋に入れた後も長時間放置せずに速やかに廃棄してください。
      なお本実験では、危険な菌が培養されている可能性はかなり低いため、それほど蓋の開閉はそれほど神経質にならなくても大丈夫です。

      ちなみに2日目で変化なしとのことですが、培養環境は常温でしょうか?
      37℃の多湿な環境下ですと48時間程度である程度細菌が認められるようになりますが、クーラーの効いた涼しい環境下などでは、目に見えるレベルまでの生育には、少々時間がかかります。

      自由研究で日程も厳しいと思いますので、1つ提案としては「納豆を食べる前の手」と「食べた後の手」の比較です。納豆菌(Bacillus natto)はめちゃくちゃタフで生育が早いので、食後半日くらい納豆菌を携えて日常を過ごしていると言われています。

      ですので、「納豆を食べる前の手」と「納豆を食べて1時間後くらいの手」の菌を培養すると、何も無い培地(本当は手の雑菌があるが十分に生育していないため見えない)と納豆菌が育った培地(+手の雑菌)が出来上がり、自由研究ができるかもしれません。

      今後とも、弊サイトをよろしくお願い致します(^^)

    • Takk
    • 2019年 8月 22日

    お忙しいところ、さっそくご丁寧に詳しい説明と処理方法を教えていただき、ありがとうございます。
    大変参考になりました。

    室内に置いて観察しているのですが、朝晩と昼の温度差が激しく、やや乾燥した地域に住んでおり、気温37度が保てない状況が原因かもしれません。
    4日目くらいから、洗わなかった手のサンプルに、白いポチッとした点が見えてきました。しかしカビも発生…(-_-;)
    もう一度やり直そうと思います。

    自由研究の日程が迫っていることから、納豆菌の実験をご提案くださり、感激いたしました。
    納豆菌の強さに驚きです。ぜひ試してみようと思います。
    ありがとうございました。

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